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時すべり・4 [ 中西俊夫 ]


表通りの喧噪は暗い路地の奥のホテルに着く頃には嘘のように遠のいていった。
熱帯の虫の鳴く高い周波数。
夜空を見上げると黒い椰子のシルエットに星空。
南半球の見覚えのないまたたくような、、、とまでいかない夜空。
確実にバリでも汚染は進む。部屋にはゲッコーの出迎え。
そして夢の中で小夜子が出てきた。分裂してから初めてだ、、、
自分が死ぬと分かっていてインタビューに応じている。
横顔、、ちょっと上向きの鼻
おかっぱ。
手に浮いた血管。なんと言うことはない日常会話を交わす。
夢の中で僕、俺は彼女が分裂したと知ってる
「ここはあなただけの場所じゃないわ」何か変だ、、、
これは僕、俺、私が作り出した脳内現象?
小夜子の分裂は意外とボディブローのようにじわじわと効いてきてる。
まだ彼女は再起動してないという変な確信。ほんの少しの違和感、、、
翌日はミニバーの点検係のノックで起こされる。
「くそったれ!まったくもう」
でも実は起こしてくれて良かったのだ。あの夢という通路にいるよりは。
熱帯の光、、、朝食を終えプールで泳ぎ、
アクアやビンタンビールなど買い物&冷やかしがてら
クタビーチへ行って帰ってくるとドアの隙間にメッセージの紙が滑り込んでいた。
ホテルの便せん「仕事でジャカルタに行ってます、31日に戻ります。K」
友人のバリ在住カメラマンKだ。
昔はメールじゃなくてこんな風にメッセージが届いたものだ。
もう一枚は普通の紙で
「昨日朝食で会ったY子です。4時半から429号室にいます。
よろしかったら皆さんでいらして下さい。
あ、全然そういうんじゃないから大丈夫です、、、私の携帯は、、、」
皆さんって?昨日?まだ到着してないし。
ふむ。そういうんじゃない出会い系か?このホテルは
翌日、またメッセージの紙がドアの下から滑り込んでいた。
「美しく呪われし者。誰もいない夢という通路に立ち、白いキャンバスを円のように建て
誰かが踏みつけるのを待ちなさい」
指示書だ。パフォーマンスアートの?
「次の大物4時半から429号室にいます。を捜せ」
ペルーのメディアは18日、同国南部カランカス近郊で、
隕石(いんせき)と見られる物体の落下によってできたくぼみからガスが発生し、
付近の住民約600人が頭痛や吐き気などの症状を訴えて病院で治療を受けていると報じた。
地元保健当局者によると、隕石と見られる物体は15日、
ボリビア国境のティティカカ湖に近いカランカス近郊の平原に落下。
落下によってできた直径約30メートル、深さ約6メートルのくぼみからは熱湯が湧き出し、
強い臭気を伴うガスが発生しているという。
 専門家が原因を調査しているが、硫黄やヒ素といった地中の物質が
落下の衝撃による熱で溶解して有毒ガスを発生させたとの見方もある。
始まった予感。この隕石シャワーのカウンターインフォが5次元移行だ。
リアディ損が群馬県人で兄が元ヤンキーで歯がないなんて事は関係ない。
死は平等に訪れる。人間は節目の年に終末思想を信じやすい生き物なのだ。
金はほとんど紙切れ同然になり、紙ドルと紙円。
銀行はつぶれ合併を繰り返し、もちろん中国は宇宙に進出し、
ロシアは暴走し、アメリカは崩壊に向かってまっしぐら。
結局欧州の腐れ金融貴族どもが世界を時滑りしながら
コンプリートにコントロールしてるって図式は明白。
陰謀説?もう陰謀でもないから陰謀という言葉自体意味がない。
全世界統一政府、統一貨幣への道のり。
またドアの下に滑り込むメッセージ
「想像してごらん。争いもなく、餓えもなく、
国境もなく、所有物もないたったひとつの世界」
鏡面ジョンレノンイマジン。悪夢。ワンワールドに向かっての指示書。
確信とほんの少しの違和感、、鏡面のプラトー(高原地帯)でも
南部カランカス近郊で、隕石(いんせき)と見られる物体の落下なんてニュースは
関係ない世界中の人には1秒で忘れ去られる。
4時半から429号室にいます。死肉部屋、、、

画像:中西俊夫イラストno17.jpg

(2008/7/8公開)

時すべり・5へ続く