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星憲一朗

Any Music, But Good「My Favorite Music」
selected by 星憲一朗(snoweffect)
クラブキングが信頼する音楽家・選曲家が、日本で活動するアーティストを紹介する、 Any Music, But Good「My Favorite Music」。星憲一朗氏による連載をお楽しみください。


画像:ifunke.jpg
アーティスト/安東ウメ子
タイトル/イフンケ
レーベル/chikar studio
レコメンド/OKIさんプロデュース、安東ウメ子さんのアイヌの子守唄。「ハンカプイ」もいいけど敢えてこちらで。音楽とMOTHERというテーマは究極的にはやっぱり子守唄に行き着くんだと思います。母親に最初に課せられる試練はひたすら泣き止まぬ我が子を寝かしつけることだ。世界どの民族にも共通した、泣かないで早く寝なさい、ただそれだけの歌詞。 そして子供は心地よい曲線に頬をもたげて幸福な眠りにつき、唄の記憶だけが残る。親の心子知らず。母心父知らず。(2008/5/8)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店


画像:iihi.jpg
アーティスト/山口百恵
タイトル/いい日旅立ち
レーベル/CBSソニー
レコメンド/なぜかこの曲を聴くと母というイメージが強烈に残ります。父も出てきますが完全にオマケです。mother tongueというくらいですが昭和の時代は母語の追求をテーマにした歌謡曲というジャンルがありました。70年代末から80年代にかけて、音楽が歌謡曲に自覚的だった時代があって、すごく不思議な時代でした。今からは想像もつきませんが当時はマスメディアの時代で、時代の無意識みたいなものが歌謡曲に宿っているのがこの曲からもわかります。この曲は母のモチーフで改造された国土を唄っている。山口百恵はやっぱりすごいなあと考えさせられます。(2008/5/12)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店


画像:sennokumano.jpg
アーティスト/長屋和哉
タイトル/千の熊野
レーベル/ame-ambient
レコメンド/そういえば人間には母の時間と父の時間があるという話をきいたことがある。 毎日を太陽のサイクルにあわせる社会的な父親の時間のほかに、海のサイクルのようにどこまでも無限に続いて行く母の時間がある。 海の心地よいサイクルに包まれると一日は48時間にも72時間にもなり、どんどん時間の感覚が伸びてゆくそうだ。 創作という行為は間違いなく海の時間に行われる。 海の聖地でもある熊野で、亡き母に捧げられるあまりにも美しい音楽。名作。(2008/5/12)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:mercuric.jpg
アーティスト/細野晴臣
タイトル/マーキュリック・ダンス
レーベル/monad
レコメンド/男と女では音楽を作るということの意味が違う気がする。男というものはやっぱりどうあがいても女性にはかなわないように出来ていると思う。 そこで昔の人は山にこもることを考えた。山に籠って修行を積んではじめて女性が持っている母なる力を会得する事が出来る。 そういうことを大昔からずっと続けて来た戸隠や天河という聖なる山。そういう山で作られた名作。見事に女神のような音楽が体現しています。 MOTHERと言われてまっさきに細野さんの音楽を思い出すのは何でだろうと考えたらやっぱりこの曲にたどりつきました。 (2008/5/8)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店


画像:cosmos.jpg
アーティスト/Gak sato
タイトル/cosmosSfera FURNITURE MUSIC vol.2
レーベル/RICORDI-SFERA
レコメンド/ミラノ在住の音楽家Gak satoによるアンビエント作品。京都のお寺の空気を切り取ったような、京都の風景を楽器で象ったような音の光景が清々しい。アンビエントという音楽が従来の音楽の観念とは全く違った可能性を持ったものだということを改めて考えさせられる。彼との初対面が京都のお寺でだったからか、なんだかとっても不思議な空気感が漂っている。恐ろしくシンプルな侘びの1枚。(2008/3/15)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:fleursy.jpg
アーティスト/キド・タカヒロ
タイトル/Fleursy Music
レーベル/Plop
レコメンド/plopからの最新作。真っ白なキャンバスに彩りを添えて行くような、背筋をのばして整った佇まいの音たち。今、この方面の音楽ではアコースティックな楽器の響きと電子音響がどういう距離感で重なり合うかというテーマが課題になっている気がしますが、そんな壁を当然のごとく軽やかに乗り越えてみせるこの才能。このレーベルの底力にはいつも感嘆させられます。(2008/3/15)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:snkr.jpg
アーティスト/V.A
タイトル/sneaker
レーベル/moph
レコメンド/新進気鋭の電子音楽レーベル、Moph recordの最新作。個人的にめちゃめちゃ注目しています。電子音楽はこの先いよいよ発展のサイクルを終えて、ジャズのような成熟したリスナーによる成熟したシーンの集合に移行して行くのだと思いますが、彼らを見ている限りなかなかどうして、まだまだ熱いなと思わせられます。刮目してます。(2008/3/15)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:endtone.jpg
アーティスト/坂本昌己
タイトル/ENDOTONES
レーベル/sublime
レコメンド/今更何も言う事も無いのですが圧倒的な作品です。エレクトロニクス、ジャズ、フュージョン、そしてニューロンを完全に消化した美しき音楽。瑞々しくふるえる鍵盤音と駆け巡る鼓動が響きあうのを聴いて人間の世界の深淵と天才の関係を考えさせられました。世の中には凄い人がいるものだと思います。(2008/3/15)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hau.gif
アーティスト/Opitope
タイトル/Hau
レーベル/SPEKK
レコメンド/ダテ・トモヨシと畠山地平によるOpitopeの1st。雪景色の北の風景から南の海へ、旅をしていく構成になってます。時間の推移が空間の推移と交錯する高度な錯覚。まさに観光音楽。CDからDL販売へ時代が移行している所で音楽にとってパッケージとは何かを考えさせられているところですが、こういうものこそがパッケージの存在する意味だなあと思います。(2008/3/15)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:frolicfon.jpg
アーティスト/FILFLA
タイトル/frolicfon
レーベル/WEATHER
レコメンド/杉本圭一氏率いるFILFLA最新作。アコースティックギターの知性的な響きとエレクトロニクスの無垢な響きの幸福な共振。無邪気で幸福な音世界が広がっています。杉本氏の世界観を体現するかのように表現された子供たちが可愛らしいジャケットも秀逸。(2008/1/18)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:Eternal_castle_big.jpg
アーティスト/piana
タイトル/Eternal Castle
レーベル/noble
レコメンド/いつも彼女のイメージには霧雨のようなひんやりとした空気が漂う盛岡という街がかぶっている。この人の音の作り方には深くて等身大であり続ける霊性のようなものを感じます。やっぱり唄は重要だなと思わせられる1枚。(2008/1/18)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hoshi6.jpg
アーティスト/ONSEN TARO
タイトル/WHAT DOES MIN-YO MEAN?
レーベル/SAUSAGE RECORDS
レコメンド/ミュンヘンで謎のDJ兼プロデューサー。ミュンヘンで何がどうしたのか日本語になってないのがつっこみどころ。みうらじゅん氏も参加。ひたすら日本民謡がミックスされていきます。やっぱり日本国や政府が何度滅びても民謡と温泉が生き残れば問題ないと思う。ホント言うと。(2008/1/18)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hoshi8.jpg
アーティスト/鈴木光人
タイトル/IN MY OWN BACKYARD
レーベル/square enix
レコメンド/発売は配信のみ。いろんな意味で感慨深し。角が丁寧に処理された丸い電子音が心地よい。このアルバムを聴いて、今聴いてぐっと響くかどうかは「のどかであること」が基準になってるなあ、と気付かされました。「ジャケは体を表す」は真理ですね。(2008/1/18)
取り扱い/iTunes music store

画像:hoshi1.jpg
アーティスト/Ametsub
タイトル/Linear Cryptics
レーベル/PROGRESSIVE FOrM
レコメンド/繊細に美しく、みぞおちワクワク。下半身モヤモヤ。エレクトロニック系のアーティストは多々あれどここまでの人はなかなか出てきません。(2007/12/10)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hoshi2.jpg
アーティスト/Anna Yamada
タイトル/Depaysment"
レーベル名/ELEGANTDISC
レコメンド/天才的な才能の持ち主、イトウヒデノブ氏のプロデュースの女性ヴォーカリスト。力強く美しい歌声。巷にあふれるアニメ声よりもこういう声のほうがはるかに女声の美しさを感じます。(2007/12/10)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hoshi3.jpg
アーティスト/いろのみ
タイトル/ironomi
レーベル名/涼音堂茶舗
レコメンド/手前味噌ですが小生が発掘したアーティストです。ピアノ、ギターとラップトップで「四季の季節感」を表現する風流な二人組。スバラシイのでCDをリリースすることにしました。(2007/12/10)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店

画像:hoshi4.jpg
アーティスト/SORA
タイトル/RE.SORT
レーベル/Plop
レコメンド/SP盤を聴くような、知っているはずもないのに懐かしい感覚と斬新な映像作品に衝撃を受けた時の新鮮な感覚とを兼ね備えた希有な才能。電子音響とSP盤の感じって似てる。京都という街は恐ろしいなとまで思わせたアーティストです。2ndが楽しみで仕方が無い。(2007/12/10)
取り扱い/タワーレコード、HMVほか全国各店



プロフィール

涼音堂茶舗代表。snoweffect。最新作「invisible gardens」発売中。 電子音楽、エレクトロニカ、アンビエントの分野を中心に寄せられる海原のようなデモ音源の中から新しい可能性を探す日々。またそうして生まれた日本の最も新しい可能性を、忘れられている日本の最も古い可能性とどう結合させることが出来るかが目下の関心。 AFTERHOURS誌にて「LIFE 生活と音楽」連載中。